導入と同時に必要なこと
電子カルテを導入すればすぐに業務効率が向上し医療の質も上げられると考えがちですが、実際に現場に導入した後に業務が滞ってしまうこともあります。原因は、現場の医療スタッフが業務内容の変化に対応できず、混乱してしまっているからです。このようなトラブルが起こらないようにするためには、電子カルテシステムをスムーズに現場で使用できるように十分な準備を整えることが大切です。
電子カルテを導入するときに最も重要なのは、業務フローが変わってしまう点を医療スタッフ全員に周知し、具体的なフローを明示することです。医師から看護師への指示の仕方や指示を受けたときのチェックの方法、電子カルテの記入のタイミングなどが大きく変わります。高機能な電子カルテシステムを導入するときほど業務フローの変化が大きく、現場が混乱してトラブルが発生しがちです。導入後の業務フローを網羅的に策定して、教育研修の機会を設けるようにしましょう。
医療サービスを滞らせるわけにはいかないかもしれませんが、マニュアルを作成して教育すれば複数回に分けて研修をするのも比較的容易です。全スタッフを集めて教育研修をすると業務を停止せざるを得ませんが、何回かに分ければ問題はないでしょう。さらに安全策を立てるなら、部署ごとに段階的な導入をするのも有効です。診療科ごとに導入を進めていき、最終的には連携を取るというやり方にすると変化が小さくて済み、業務フローの変化にも慣れる余裕が生まれます。