オンプレミス型とクラウド型
電子カルテには、院内にサーバーを置くオンプレミス型と電子カルテサービスを提供する企業のサーバーとインターネット回線を繋いで利用するクラウド型があります。それぞれ異なるメリットとデメリットがあり、どちらかが完全に優れているわけではありません。そのため、必要に応じて選択することが大切です。
両者の大きな違いはまず初期費用で、オンプレミス型はサーバーを導入しなければなりません。場合によっては大掛かりな工事が必要となり、費用が高額になりがちです。それに対して、クラウド型は基本的に電子カルテを扱える端末とインターネットに接続できる環境があれば問題ありません。その結果、初期費用が安く済みます。また、電子カルテのシステムが新しくなる場合、オンプレミス型は専門家がサーバーに手を加えなければなりませんが、クラウド型はサービス側が自動で更新してくれます。
ただ、クラウド型は利用する上でインターネットへの接続が必須となるため、情報漏洩のリスクが付きまといます。もちろんセキュリティ対策をすればそのリスクを大幅に抑えられますが、100%ではありません。また、もしインターネット回線が何らかの異常で使用できなくなれば、電子カルテも使えなくなります。オンプレミス型はそのようなリスクをほぼ完全になくせます。電子カルテの機能は最初に搭載するサーバーに全て入っているため、独立したネットワークを構成でき、外部との接続は必要ありません。外部との接続がないことから、内部から抜き取られることがない限り情報は守られます。